1997年6月24日(火) 晴 オリンポス(Olimpos)
この田舎村のオリンポスが気に入り、もう一泊することにした。朝食はトルコ風。トマト、キュウリ、ゆで卵、チーズ、バター、はちみつ、そしてパン、コーヒー。
遅い朝食の後、ビーチへと行く。今日は1日中ビーチに居た。本を読んだり、きれいな海で遊んだり、とてもリラックスした1日だった。小さい魚が結構いて、楽しかった。
夕食を20時にとる。メニューは昨日と同じだが、お腹が空いていることもあってとても美味しい。
前後するが、ビーチから帰る途中、ゆっくりと遺跡を眺めながら進んだ。あちこちに散在していて、思ったよりもかなり大きいものらしい。川が干上がっているが、その向こうには、墓がずらりと並んでいる。昔々の文字で、何やら彫られていた。
アリ地獄がたくさんいて、棒で突っついたりして遊んだ。一部分だけ水が残っているところがあったのだが、カエルや亀等がよくこんな小さな水たまりに住んでいるものだと思う。生命力とは凄いものだ。
そこには動物や虫たちの世界があった。花が美しい。山も美しい。空気もきれいだし、本当にのんびりと今日の1日を楽しんだ。
夕食後にまたビーチに行った。真っ暗な道で、電灯をつけてやっと前が見える。そんな道を、灯りもなく歩いている人がいた。
ビーチに着くと、昼間よりも波の荒い海があり、そして夜空にはびっしりと星が光っていた。先導してくれた白い犬もそのうちいなくなった。
流れ星を5つも見た。妻は7つも見たようだ。こんなに星の輝く夜空はどのくらいぶりだろう。本当に素晴らしい。大自然そのものだ。人工衛星もいくつか飛んでいるのが見えた。
しばらく夜空を眺めていたら、南東の方向に、海からぼんやりとオレンジの光が昇ってくるのに気づく。何ともまあ、この世のものとは思えないほどの美しさだった。
少しずつ昇ってくるに従って輝きを増し、まわりがほのかに明るくなっていく。海に光が反射している。山々が月明りに照らし出され、少しずつその姿を現す。何か神聖なものを見ているような気分になる。
それまでの星の世界が月の世界に取って代わられるかのように、小さな星の光は姿を消していく。何もかも素晴らしい。神秘的な夜。幸せな時間が支配する。
古代の人々は、このビーチの両側にある山に築き上げた城壁の上で、こんな月を眺めながら、何を感じていたのだろう。
暗闇は人間に恐怖を与える。どんな獣が潜んでいるかもわからない。恐怖に支配された闇夜を照らす月明り。どんな時代でも神秘的であり、生きとし生けるものに安らぎを与えてきたのではないだろうか。
この月を死ぬまで忘れることはないだろう。
本日の支出 約10USD
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