1997年6月6日(金) 晴 夜に雨
朝食時に宿泊客の日本人2人と話をした。ひとりは関西からのサラリーマン氏。1週間の予定でトルコのみ観光に来ているという。日曜に日本に着き、月曜からまた仕事なのだそうだ。カッパドキアとイスタンブールの二か所だけだが、それでも短すぎて行きたいところ全部に行けないようだ。
もう一人は福岡から来ている中年の女性Kさんだ。トルコにはしょっちゅう来ているとのことで、かなり詳しいようだ。10年ほど前から旅を始めたそうだ。四つ星ホテルに泊まっていたら、宿のオーナーが借金を返せなくなったらしく、マフィアの男どもがたくさん宿に押しかけてきて、部屋のテレビや冷蔵庫、ベッド等手当たり次第勝手に持ち去ったという場面に遭遇したことがあるそうだ。次の日の朝食は、前日までの豪華なバイキングから一転、質素な一皿だけの朝食になっていたそうだ。
また、トルコの習慣で割礼をやるのだそうだが、割礼の日には、イスタンブールだったらブルーモスクに3000人ほどの行列ができるのだそうだ。それだけ多くの子どもたちが、一斉に割礼をするそうで、たくさんのベッドが並ぶのだそうだ。
あと、トルコに来る日本人女性の軽さについて。トルコの男たちは彫が深いハンサム君が多く、日本人の女性観光客たちは、トルコ人の男にナンパされるとコロッと参ってしまうのだそうだ。トルコ人は口も達者だ。日本語もうまいのがゴロゴロいる。コロッと参ったナデシコたちは、日本に帰った後も、結婚を夢見てトルコ男に仕送りまでする人がたくさんいるのだそうだ。トルコ男は鵜飼いさながら、何人もの日本女性を口ひとつで操っている。絨毯店等の店を出すための資金をドンと出してあげる金持ちマダムたちも多いのだそう。トルコ人の男どもで、特に日本語を巧みに操り近寄ってくるのは、ろくなものではないと言っていた。
食後、14時ころまで宿で過ごし、外に出る。新市街のタキシム広場からバスで30~40分ほど行ったところにあるアクメルケズショッピングセンターを目指す。途中、トュネルを登ったところにある古楽器博物館(Galata Mevievihane muzesi)に行った。
入口の墓地のところに猫がいた。かわいかったので写真を撮る。猫は墓場が好きなのか、とにかく墓地にたくさんいる。博物館の中に入ると、スーフィズムのメブラーナ教団が使っていた弦楽器や笛類、打楽器類が展示されていた。この博物館はメブラーナ教団の修業場のひとつだったそうだ。真ん中にスーフィズムの旋回舞踊のステージがあった。昨日見たスーフィーの集会では、板ばりになったステージというものはなかった。ここは昨日のところをはるかに本格的にしたような感じだが、アタチュルク以前には、こんな修業場がたくさんあったのだろう。興味深い博物館だった。6月は29日の17時からスーフィーの旋回舞踊が見られるそうだ。
イスティラーク通りを少し散歩する。めずらしくカトリック教会があったのて中に入る。ステンドグラスが渋い黄色がかった色をしていて美しかった。やはりイスラム教国の中にあるカトリック教会のせいか、心なし偶像が少ないのではないかと思った。
それから市場のような通り(バルックチャルシュス市場)でムール貝サンドと、ムール貝に焼き飯を詰めたものをほおばる。なかなか美味しい。
その後、タキシム広場からバスに乗り、アクメルカズへと向かった。疲れのせいか、バス内ではうとうととしてしまった。
アクメルカズは1995年のベストヨーロピアンショッピングセンターに選ばれただけあって、なかなかに美しい建築物だった。中は地下1階、地上3階。狭いように思えるが、歩いてみると、店の多さのせいか思ったよりも広いという感じがしてくる。
服などを見ていたが、買いたいものもないので、3階に行ってお茶にする。3階はフロアー全体にファストフード店等が立ち並んだ飲食街となっているが、こんなたくさんの店が出ているショッピングセンターというのも初めて見た。
イスタンブールの旧市街の古都の趣とは違って、新市街はどんどん外に向かって広がる大きな街だとよくわかった。ショッピングセンターは、ヨーロッパやアメリカ等と全く同じだった。古き良きものが失われないでほしいと心から思う。お茶を飲んだり、本を読んだり、中華を食べたりでとても良い時間つぶしとなった。
夜は先日日記に書いた新市街のカフェにJAZZ Liveを見に行く。22時開演とあったので、5分遅れくらいで到着。席に座ってビールを飲んでいると、1st、2ndセットは、ボーカルもの。ボーカルは白人とアラブ系女性の2人。3rdセットでは、トランペットのトリオの演奏。そして最後のセットではボーカル+トランペットトリオの演奏となった。なかなかの演奏だった。店には黒猫がいて、とてもかわいかった。場所はトュネルを登ったすぐ右のバー。
深夜1時過ぎまでライブを楽しみ、店を出る。タクシー代をケチって新市街から旧市街まで歩く。その途中の波止場にガラの悪い連中がいて、かみそりのようなものを持った男が何やら大声で罵って来たが完全無視。それ以上何もなかったが、夜は危険であることは間違いない。無理はしないことが肝心だと思う。
本日の支出 約30USD
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