アジア旅行記 1997年6月17日 トルコ(ボドルムにてエーゲ海ダイビング)

6月17日(火)  晴  

今日はダイビング。9時45分に港に行く。客は全部で10人くらい。大きなクルーザーに乗り込む。10時半頃港を出発。エーゲ海の眺めは本当に素晴らしい。深い青が独特な風景をつくりだしている。コバルトブルーとでも言うのだろうか。この青はカリブの色とは明らかに違う。今まで見たことのないような青だ。やはりエーゲ海独特の色なのだろうか。

11時半に1回目のダイブ。第1ダイブは水深30m、平均で20m。Black island caveにて。透明度は12~13mというところか。透明度はやはりカリブにはかなわない。最初のオクトパスから大量に空気が漏れていたので、別のものに替えてもらう。ダイビングは久しぶりなので、手順が曖昧になっており少し緊張する。

海に潜ると、さすがに水が冷たく感じる。8mmくらいのウエットスーツを着ているのだが、かなり冷える。水底にサンゴはほとんどなく、海綿がものすごい数だ。魚はほとんど見えない。ひとつ洞窟を抜ける。水温は下で20度ほどではなかろうか。重りが重すぎたのか、バランスがとりにくく、酸素を消費してしまう。

水の比重が重いのか?足での水かきが重く感じる。スピードを出そうと思って足を動かそうとしても足がとても重い。まるで潮流でもあるかのように前へなかなか進まない。これはカンクンの海とは全く違う。世の中にはいろんな海があるものだなと思う。

30分くらいで第1ダイブを終える。空気は最初220くらいだったのだ、上がったら50を切っていた。しばらく水面でプカプカ浮かんで楽しむ。ウエットスーツが浮きやすいのか、海の水の塩分濃度が高いのか、面白いほどよく浮く海だ。

船に上がり休憩をとる。お昼ご飯となるが、少し船酔いをしたようで、食事を口にしようとすると気持ち悪くなるので食べなかった。その分、妻が2人分食べてくれた。船上でしばらく寝ることにする。日差しは強いが、風が涼しいので不快感はない。

第2ダイブは14:40~15:15。水深はMAX25m 平均12m。Black Island のZumbuにて。

今回は浅い方に行くと、少しは小魚がいたが、カンクンの比ではない。2回目はダイビングの要領も戻り、落ち着いて楽しめた。タンクは最初220。終了時100位だった。

魚はあまりいなかったが、久しぶりのダイブを存分に楽しんだ。ここに来てよかった。しかしながら、エーゲ海は潜るよりも、陸から風景や海の色を楽しんだ方が素晴らしいように思った。

午後4時半頃に寄港し、ホテルに戻る。シャワーを浴び、洗濯をする。干していたら、オーストラリア人がいたので情報交換をする。この人は、これから我々が向かうエジプト、シリア、ヨルダン、イスラエル等を周って来ていたので、貴重な情報を得ることができた。彼は23歳だそうで、2年間旅をするそうだ。

話していると、オーナーのエミコさんがやって来て、隣の部屋に入った日本人のK君も話に加わる。オーストラリア人が去った後、ビールを飲みながらさらに雑談をする。

エミコさんは5年もトルコに居るのだそう。トルコに旅に来て、トルコ語に興味を持ったのだがここに住むきっかけだったそうだ。トルコのことをいろいろと話してくれたのだが、特に印象的だったのは、日本のテレビ局の話だった。このテレビ局の企画で、トルコにて、トルコのレスリング王者と、日本の空手の王者との対戦があったのだそうだが、その前座に出た日本のお笑い芸人が、このイスラム教の国のリングの上で、全裸になったうえに逆立ちしながら、お尻ででんでん太鼓を鳴らすという芸をやったそうだ。

トルコではニュースで放映されたそうだが、観客からはブーイングの嵐で、レスリング王者も国技とも言えるレスリングを冒涜され、自分もバカにされたと思い、血管が切れるほど怒っていたそうだ。このレスリング王者は、この最悪の企画番組に出演したことを心から後悔したことだろう。

とにかくこの芸人の全裸になる行為は、イスラム教を冒涜し、そしてトルコ人全体を最大限にバカにし、日本人のイメージを地の底に押しやった大馬鹿ものの行為だ。日本にあてはめると、横綱同士の真剣勝負を前に、わけのわからない外国人のコメディアンが土俵の上で全裸になり、お尻にデンデン太鼓を突っ込み、逆立ちして音を鳴らして笑いをとろうとしたようなものだ。これを笑える人がどこにいるだろうか? 日本の国技が冒涜されたと憤る人がほとんどではないだろうか。

こんな企画を行ったテレビ局、マスコミのモラルの低さには憤りを感じえない。結局日本の名声を地の底に落としているのは、こんなバカ者どものマスコミのせいなのではないかと思う。日本には誇りもモラルもないのだろうか?エミコさんはこの放送を見て涙が出たそうだ。その怒りや悲しさは察するに余りある。

日本のテレビでは、この芸人のやったことはカットされて放映されなかったそうだが、トルコでは生放送だったようだ。日本では放映されなかった代わりに、トルコの警察に逮捕されたこの芸人が、75円程度の罰金で釈放されたということが、野次馬ワイドか何かでやったそうだが、これもバカにした話で、75円程度で釈放されるはずもなく、トルコの経済力をバカにした話のように思う。日本のテレビ局は、この件に関して反省もせず、さらにトルコの対応を鼻で笑うような番組を流している。本当に恥ずべきことだと思う。

その他、たくさん話をした。トルコ観光の穴場的なところもいろいろと教えてくれた。その後、25才だというK君とピザを食べに行った。彼は歴史好きで旅をしているのだそうだ。マウンテンバイクが好きで、よくキャンプをするそう。友達が自転車で世界一周しようと必死でお金を貯めているのだそうだ。短期旅行なので、精力的に動いているそうだ。インドの最南端で見た夕陽が素晴らしかったと、なかなかのロマンティストだが、関西人らしくボケを忘れない。礼儀正しい好青年だった。

ピザを食べた後、宿に戻っている途中で、イギリス人と日本人女性のカップルから、いきなり“日本人の方ですか”と話しかけられた。トルコからイギリスに電話をかけたいのだが、そのかけ方を知りたいらしい。K君が親切に教えてあげていた。

本日の支出 約13.4USD

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