アジア旅行記 1997年6月20日 トルコ(ダルヤン一日クルーズ)

6月20日(金)  晴  ダルヤン(Dalyan)

今日はダルヤン1日クルーズに参加。クルーズは一人500,000TL(約3.5USD)と非常に安い。26名の参加だったので、単純計算91USD程度の売上げか。こんなものでやっていけるのだろうか?こっちが心配になる。稼ぎ時の夏以外は休業しているのではないだろうか。

10:30に船は出航。泥温泉へ。泥温泉は、全員体中に泥を塗りたくる泥パックの場所だ。皆思い思いに体に泥を塗っている。ちょうどテレビで見たことがあるアフリカの部族のように、頭の先からつま先まで、泥で覆っている人もいる。見ている方が面白いほどだ。全身泥パックを日本でやれば、目が飛び出るほどの金額を請求されそうだ。

次に湖にある温泉に向かう。直径が10mほどだろうか。まん丸な温泉があり、周りは大理石で覆われ、天井はドーム状になっている。足をつけてみると日本の温泉と変わらないくらい熱いではないか。それに硫黄のにおいが立ち込めている。馴染みのある温泉の香りにうれしくなる。だが、外国人には熱くてたまらないようだ。温泉の外には湖が広がっているので、温泉に入ったり、湖で泳いだり楽しむ。湖の浅いところには小さなエビがたくさんいた。

温泉に入った後は、また出発点に戻りランチタイム。戻る途中、湖を進む船の後ろにロープをたらし、そのロープにぶら下がって湖を進む遊びが始まった。私も飛び込んで楽しむが、船のスピードが上がると水圧がすごく、海水パンツが膝あたりまでずり下がる。左手で海パンがもっていかれないように必死の形相で押さえ、右手でロープにしがみつく。スピードが上がり、まともに顔に水を受けてギブアップ。海水パンツは流されずなんとかセーフ。大変な目に合うところだった。船は停まってくれたが、船まで泳いで戻るのが大変だった。しかし楽しかった。

ランチは安いドネルケバブにするが、店の店員が慣れていないのか、ものすごく時間がかかった。ドネルケバブごときで30分も待つはめになるなんて誰が想像できようか。しかしながら、予想に反して、ここのドネルケバブは絶品だった。今までで最高のおいしさだった。

食後はまたクルーズ。右手の崖に掘られた昔のお墓を見ながら進む。ローマ時代のお墓だろうが、よくもこんなものを作ったものだと思わせる、巨大な壁画彫刻のお墓が8つほど見えた。素晴らしい遺跡だった。

この岩窟墓は、ガイドブックによると、リキヤ文明の特徴的なものだそうだ。これはアナトリアにフィギリア人が進出し、ヒッタイトが滅んだ頃、その一派が逃げ込んだのがリキヤ地方であり、このリキヤ地方とは、トルコの南海岸(フェティエ~アンタルヤあたり)を指すようだ。遺跡は紀元前6世紀以降のもののよう。ホメロスのイーリアスや、紀元前5世紀のヘロドトスの歴史にも登場するそうだが、詳細はよくわからない模様。紀元前545年にペルシャ軍に占領され、後にアレキサンダー大王により解放されたのだそう。後にローマ色を強めてくるのだそうだ。

また少し進み、今度は上陸してローマ時代の遺跡へと向かう。陸を歩くとさすがに暑く、喉がからからになる。ここには大劇場があったり、崖の上に城壁があったりと良かった。廃墟と化した遺跡、そのバックには湿地帯が広がり、そのまたはるか向こうに見えるエーゲ海の深い青が美しい重なり、素晴らしい色彩のコントラストを成していた。

船に乗り、ビーチへ行く。このビーチがまた面白い。海と湿地帯のはさまれた形で張り出している。長い砂浜が堤防のように海に突き出ていた。砂浜にはビーチパラソルが一列に並んでいる。ビーチには海水浴客がたくさんいるが、スペースは余りあるほどだ。1時間くらい海に入り遊ぶ。海中には、小魚が泳いでいるのを見ることができた。ビーチで横になっているうち、寝落ちしてしまった。18時にビーチを出てダルカンの街に戻る。安いけど、とても楽しいツアーがこうして終わった。本当に楽しかった。

昨日会った日本人とイギリス人のカップルは、日本の仕事を辞めて、5カ月かけて旅しており、インド、ネパール、エジプト、ヨルダン、シリア、トルコ、そしてイタリアからイギリスに行くそうだ。彼の仕事の都合で、その後、アメリカに住むのだそうだ。

夕食前にスイカを食べる。夕食はランチの店でパスタを食べる。なかなか美味しかった。今日は月が美しい。満月か? 光り輝いていた。クルーズのガイドさんは、夜はスーパーで働いていた。

本日の支出 約19.1USD

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