アジア旅行記 1997年6月4日 イスタンブール

1997年6月4日(水) 雨のち曇り

今朝は起床後、朝食をとり、トプカプ宮殿へと出かけた。雨だというのに、多くの人が観光に来ていた。社会見学と思われる子どもたちが、大量にやって来ていて、とにかく騒がしかった。

トプカプ宮殿は、15世紀から19世紀まで、オスマン帝国の君主が居住した宮殿で、歴史も古く、ドルマバフチェ宮殿に比べて、イスラム国らしい素晴らしさがあった。宝物館にある宝物の数々には、驚かされた。どこの博物館でも見たこともないような巨大なエメラルドやダイヤ、そしてそれらが無数に散りばめられた調度品等があり、とにかく凄まじさを感じた。

ウィーン、黒海、アラビア半島、北アフリカの一部を治めていたオスマントルコのスルタン達の栄華を物語る。その他、陶器館には中国や日本の今利柿右衛門、ヨーロッパのマイセン等まで展示されていた。

日本のデザインはその余白を大切にするが、当時トルコに輸入されていた陶器類を見ると、そのシンプルな良さを破壊して、宝石類を散りばめたり、金細工で蓋をしたりと、自分たちの好みに合わせて、これでもかと必死になって作り替えたのではないかと思ってしまう。

あと、コーランの書かれた本のデザインも素晴らしかった。アラビア文字も、書道と同じようにアートであり美しい。

宮殿内のハーレムに入る。ハーレムはドルマバフチェのヨーロッパ風のものと違い、スペインにあるような青タイルで彩られた素晴らしいものだった。アラビアンナイトにでも出てきそうな、色とりどりの部屋に思わずため息がでるほどだった。

今日もまたDoy Doyで食べる。すっかり常連になりつつある。ナスのカバブを食べる。大味だが栄養がありそうだ。ボリュームも満点だった。

いつも給仕してくれる大男の店員が、ガイドブックを見ていた僕らに、地図を指さしながら、「自分の生まれ故郷はVan(ワン)だ」と言ってきた。そしてポスターの景色を指さしながら、Van湖や滝、アララット山等を教えてくれた。彼は足が悪い。11年前にイスタンブールにやってきたクルド人だと言う。何か軍との小競り合いか何かで足をやられたのだろうか?口下手で不愛想な人だが、内心は優しい人間のようだ。

本日の支出 約9.9USD

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