アジア旅行記 1997年7月23日 シリア(アレッポ~ラタキア)

旅日記

1997年7月23日(水) Aleppo ⇒ Lattakia  晴

朝7時25分発予定の列車にてAleppoを出る。7時40分頃に列車は動き出した。さすが一等車だけあって座席が広い。のびのびと座ることができた。車窓の景色は、ボドルム(トルコ)で出会ったオーストラリア人のお薦めの景色だったのでゆっくり見て行こうと思ったが、うっかり眠ってしまった。それでも途中にはひまわり畑がたくさんあったのを見ることができた。各駅停車なので、しょっちゅうストップする。11時10分頃だったと思うが、列車はラタキアの駅に到着した。途中の記憶があまりないのが残念だ。

駅からタクシーでホテルAfamia Hotelへと連れて行ってもらう。タクシーが安いのが助かる。このホテルはなかなか凄まじい。1人100シリアポンド(約2USD)という安さに決めてしまったが、シーツは汚れているし、ドアのかぎもない。ホットシャワーは別料金で、ドアがなくカーテンで代用してある。また、トイレの臭いは目に染みるほどだ。ここまでひどいホテルも久しぶりだが、フロントの青年が感じ良く、それだけが救いだ。

すぐにホテルを出て、サラディーン城に行くことにする。ミニバス乗り場はガイドブックとは全く違うところにあった。人に聞いたり、親切な子どもが、それはそれは速く歩いて、かなり離れた乗り場まで連れて行ってくれた。子どもはそれほど速く歩いているようには見えないのだが、歩いてついていくのが不可能なくらい速かった。

バスに乗り、ハッフェという町まで行く。約40分。そこからタクシーを拾おうとすると、人の良さそうなおじさんに車に乗って行けと言われる。乗せてもらうことにするが、ジープのような車の後ろには荷台があり、人が座れるようになっていて、他の人も乗り込んでいる。どうもバスのようなものらしい。はじめに荷台の人達の行き先に行ってから降ろし、それからサラディーン城に向かう。

ハッフェから4kmほどであろうか、途中から山道になる。城に着いて、一応お金を払うそぶりすると、往復乗せてやるから500シリアポンド(約10USD)払えという。しばらくもめて、じいさんは1時間待ってハッフェまで連れて帰るから、サラディーン城までの100ポンドと、それにもう100追加してくれと言う。帰ってくれても良かったのだが、どうしても待つらしいので放っておく。

城の廃墟の建物の中には、大きな蝙蝠が住んでいて、入っていくと威嚇してくる。比較的保存状態の良い司令塔と思しき建物は巨大な3階建てとなっていて、屋上からの眺めもなかなか良い。いろいろ建物があり見て歩く。しかし、よくこんなところにつくったものだ。面白かったのは水貯めで、ものすごい量の水を貯蔵することができそうだ。音響効果もあり、声を出すとずっとそのこだまが鳴り響いている。水が生死の勝敗を決めるカギともなるので、とても大切なものだったのだろう。

遺跡見学は1時間ちょっとで終わった。運転手はしっかり待っていて、愛想よく寄って来る。帰りも約束どおり100シリアポンドを支払い、おじいさんと別れる。このじいさんの車には聖母マリア像の絵が飾ってあったのでクリスチャンなのだろう。列車の中でも話しかけてきた若者がクリスチャンだった。若者は軍役中だということだが、アメリカに行きたがっていた。この若者のおじさんがアメリカに移住してコンピュータ関係の仕事をしているらしく、彼も同じようなことをしていそうだ。

ラタキアに戻り、ウガリットに行きたいと思い、ラス・シャムラ行のドルムシュ乗り場に行く。ウガリットとは、紀元前16世紀から紀元前13世紀に最盛期を迎えた都市国家の遺跡だ。運転手にたずねるうちに人がたくさんやって来て、何やらがやがやと言っているが何を言っているのかさっぱりわからない。別のドルムシュが来て、ウガリット方面に行くようなので尋ねると200シリアポンド(約4.5USD)だと言う。なんという料金。遺跡まで連れて行ってくれるつもりなのか何なのかはわからないが、200とは高いので、結局ウガリット行きはあきらめる。

ラタキアの街を歩き、海沿いに出る。大きな港があった。海岸通りは比較的清潔できれいな建物が続いている。あまりおもしろくはないので少し戻り、久々にイタリア料理を食べる。パスタにスープ、サラダ。久々なので美味しい。また、シリア産の地ワインが以外にも美味しかった。ホテルまでぶらぶらと散歩をする。あちこちのカフェで、水タバコを吸っている老人の姿が目立つ。街には女性がとても多い。それもアレッポとは違い、ほとんどの人がスカーフ等着用せず、ヨーロッパ風の服を着ている。街の様子もあまり貧しさを感じさせない。

ここはアサド大統領のお膝元なので、富が還元されているのであろうか。男たちが真っ黒に日焼けしているのに比べて、ベールを脱いだ女性たちの肌の白さにびっくり。また、シリアも他民族国家なのか、実に様々な顔がある。20時30分頃にホテルに戻る。あまりにもベッドのシーツが汚くて、シーツの上にゴザをひいて寝ることにする。直に寝るにはかなり抵抗がある。

本日の支出 約15.8USD

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