1997年7月25日(金) Tartus ⇒ Banyas ⇒ Tartus 晴れ
午前中はゆっくり休養する。今日はイスラム教の休日の金曜日だ。旅ももう2ヵ月が過ぎた。お昼頃から外に出てスイカを買う。今日の夜食べるために冷蔵庫で冷やすことにする。その後マルカブ城を目指し、Banyas行のミニバスに乗る。30分ちょっとくらいでBanyasに到着。セルビス(乗合ワゴン車)乗り場へと移動。Banyasも海沿いの美しい街だが、ちょっと離れたところには、北と南にひとつずつ大きな工場があり、煙を吐き出している。また、ちょっと草むらに目を向けると、そこにはゴミの山。皆が皆、ゴミを放り投げて行くのだから無理もない。せっかくの町並みもこのゴミで台無しだ。シリア人には、心から公共の場を汚すようなことをやめてもらいたい。
セルビスに乗って、12分ほど坂を登っていく。そこには巨大な城が聳えていた。マルカブ城(QAL’AAT MARQAB)だ。この城は、黒っぽい石で建てられた丘の上の要塞だ。シリアに築かれた十字軍時代の代表的な城だが、元々はフェニキア時代から砦があったようだ。その後、東ローマ帝国やアラブ人の所有となった後、十字軍のものとなったが、マムルーク朝に落とされる。
十字軍時代は、この城内には千人もの兵士が詰めていたようだ。また、先日行ったサラディーン城よりも保存状態が良いようだ。所々に巨大な円い塔のある城壁に守られていて、中のメインの建物は3階建てとなっている。高いアーチ天井の上に、上のフロアがあり、またその上に別のフロアがある。ひとつのフロアにいると、そこの上下に別の部屋があるので、信じられないくらい頑丈に建てられている。城からの景色がまた素晴らしいのだが、悲しくも向上の煙がスモッグ層を作り上げていて、水平線が見えない。こんなに晴れているのに、ぼんやりとモヤがかかったようになっている。城内にはいくつも巨大な部屋がつくられており、昔は多くの兵士がこんな部屋に詰めていたのだろう。


帰る前に、城の下にあったカフェでコーヒーを飲む。再びセルビスを拾い、Banyasから民バスに乗り換え、Tartusに戻る。
しばらく部屋で休み、夕方に街に出る。昼間は閑散としていたのに、海沿いは人であふれている。夕陽が赤く大きい。しかし、あっと言う間に沈んでしまった。
フェスティバルのため、海沿いには露店が出て、人々をひやかす。
旧市街を歩く。古い町並みが残っている。途中、1980年に日本に行ったことがあるというおじさんがいた。彼は船乗りだったそうだ。日本は良い国だと言っていた。古い石づくりのアーケードの下には、いろんなお土産店などが出ていて、ものすごく賑わっていた。シリアは女性が街にいる。スカーフの人も多いが、現代的なファッションも普通に見られる。男たちの顔が日焼けして真っ黒なのに、女性達の色の白さは異人種のようだ。シリアに来て、男性も女性も背が高い人がとても多いように思う。女性も170cm以上ある人がざらにいる。顔を見ると、歴史が示すように、ありとあらゆる顔がある。白人からアラブ人まで、また、東南アジア的な顔も珍しいがたまに見かける。特に白人系の顔が多いように思える。そして、みんな顔立ちが美しく思える。また、貧しそうな人をあまり見ない。人々は例外なくフレンドリーで親切だ。



夕陽が沈み切った海は少し波が強く、とてもきれいだった。だが、ここはシリア。この景色にゆっくり浸ろうと思っても、彼らは容赦なくゴミを海に投げ捨てる。やめてほしい。

街を走る車がなかなか良い。1960年代くらのものだろうか。大きなベンツがタクシーや自家用車として使われている。古くて大きなクラッシックカーは本当に良いものだ。
今日は夕方5時半頃に、鳥の丸焼きを半羽食べた。ここ2日間で丸1羽食べてしまった。夜は買っておいた大きなスイカを妻と半分ずつ食べた。
本日の支出 約11.4USD
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