アジア旅行記 1997年8月28日 ヨルダン(ワディムーサ~アカバ)

旅日記

1997年8月28日(木) Wadi Musa ~ Aqaba  晴れ

朝7時のバスでアカバへと向かう。地図を見ると100kmもないのだが、7時半頃にワディムーサを出たバスは、9時過ぎにやっとアカバに到着した。ワディムーサを出る前に、モーセの泉のところでドライバーがブドウを買い、泉の冷えた水で洗って少し分けてくれた。これが冷たくて、とても美味しかった。

アカバまでの道のりは、ひたすら砂漠だった。砂漠と言っても、どちらかというと小石散らばった礫砂漠と言った感じだ。そんな中、突然聳え立つ大きな岩山が現れたりする。本当に不毛な土地だ。しかし、こんな乾いた場所にも、ベドウィンのテントがあり、人々の生活が営まれている。ヨルダンという国は、本当に砂漠の国だ。水の流れる川を、まだこの国で見たことがない。川という川は干上がっていた。そんな枯れ川のほとりには、わずかながら低木が茂っている。その緑を山羊や牛馬が食べて生きている。ロバもたくさんいるが、ロバに対する虐待がひどい。子どもたちはロバをたたき、こづき、苦しめて楽しんでいる。いつの日か、地球がロバの惑星になったら、まずペトラあたりの人間が最初にやられてしまうだろう。もし本当にロバの惑星になったら、あのガキどもはロバにムチ打たれ、働かされることだろう。同じ目にあわなければ、ロバの苦しみは一生わからないだろう。

アカバに着くと、美しい青い海が広がる景色が目に飛び込んでくる。街並みも白を基調に清潔な感じだ。バスの運転手が、ホテルまで連れて行ってくれた。ホテルはペトラホテル。最初に見た部屋も良かったが、他も見せてもらったら、何と紅海が目の前に広がる303号室が空いていた。最初の部屋よりも1JD高い8JD/roomだが、ベランダがあり何の文句もない素晴らしい眺めを楽しめる。まるで海沿いの高級リゾートホテルに来たと間違うほどのもので、ものすごく得した気になった。

それからエジプト領事館に行きVISAを申請する。早くから来た白人の女の子たちは、待っても待ってもVISAをくれない状況らしい。僕らは書類を提出してから待つこと1時間半。正午少し前にVISAのおりたパスポートを返してくれた。早くから来ていた彼女たちもやっとパスポートが返されたのだが、3時間ほども待ったようだ。どこも、お役所仕事は時間がかかるようだ。だが、待っているあいだ、子猫4匹、あとから1匹増えて5匹の眺めていて、その行動の面白さに時を忘れることができた。エジプトの観光ビザは、1か月有効で12JD(1JDは約1.43USD)。

ホテルに帰る途中で、中華レストランで焼きそばを食べる。他、アメックスの事務所に行くが両替等の業務をやっていなかった。あと、小包を日本に送るのは航空便のみで、1kgあたり14JD強。1kg増すごとに7.5JDずつアップしていく。とても高い。

その後、アカバの街を散歩する。酒屋が堂々とオープンしていてうれしい。観光地だからだろう。肉屋には牛が吊るされていた。それから海に行く。こんな都市部にも関わらず、水がとても透明できれいだ。しかし、女性で泳いでいる人を見ない。やはりイスラム圏だ。その辺は閉鎖的なのだろう。

ホテルに戻り、死ぬほど眠る。しかしここアカバは死ぬほど暑い。体中の血液が沸騰しそうだ。

夕方に海岸に行く。ホテルの前で偶然、昨日遺跡にいた日本人と出会う。明後日、日本に戻るのだそうだ。彼と一緒にいる女の子たちは、アカバでダイビング免許をとるのだそうだ。海に出る。ガイドブックにはパブリックビーチと書かれている。夕陽が落ちても、たくさんの人で賑わっている。やはりここでも女性は、コートとスカーフで全身を隠している。こんなところで、外国人の女性が水着姿で歩いたら、男たちの視線で、体中に穴が空いてしまうことだろう。人の顔を見ると、少しずつエジプトに近づいているのがわかる。

シュワルマ(トルコのドネルケバブのような中東のファストフード)とパイとビールを買いこみ、ホテルに戻る。ホテルのテラスで妻と乾杯! テラスからは、イスラエルのエイラットのネオンが輝いているのが見える。遠くには、多分エジプトのタバのものと思われる灯りも見える。思いがけず、自室が最高のレストランになった。しかし、アカバは暑い。夜でも暑い。海沿いだと言うのに。

本日の支出 約38.0USD

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