1997年6月27日(金) コンヤ(Konya) 晴
昨日の夜にアンタルヤを出たバスは、5時30分頃にコンヤ(Konya)に着いた。コンヤはセルジューク朝トルコの首都だったところだ。バスステーションにあったスーフィズムの踊りを象ったネオンがかわいらしく印象的だった。
朝のコンヤはかなり寒くて、トレーナーの上にウィンドブレーカーを羽織ってちょうどよいくらいだった。バスの中は当然寒く、乗客は半袖で、よく耐えられるものだと思う。
ドルムシュにて中心に出るが、早朝のため、どこもシャッターが閉まっている。しばらく歩いてみる。ホテルは目につくが、安いペンションはなかなか見当たらない。メヴラーナ博物館近辺には、巡礼で野宿したのではないかと思われる女性の一団があった。安宿がなさそうなので、あきらめてバスステーションに戻り、荷物を預けてから出直そうと思ったら、客ひきのタクシー運転手が2,000,000TLでどうだと言う。一度考えるが、その宿を頼む。こざっぱりした宿だったので問題なし。体を休めて、ひと眠りすることができた。
メヴラーナ博物館に行くことにするが、このホテルには日本語を話すトルコ人が来ていた。多分ホテルとつるんだ絨毯屋であろう。時間がないと断る。
博物館は、外国人客もたくさんいたが、それよりもトルコ人でいっぱいだった。美しい棺がたくさんあって、歴代の王様のものかと思っていると、涙を流して感激しているご婦人もいる。ガイドブックを読むと、その中で一番巨大な棺が、メヴラーナ自身の棺だそうだ。
メヴラーナとは、スーフィズムの一教団の創始者であり、くるくると回り続けることで神とひとつになっていくという信仰の一形態であるスーフィズム特有の旋回舞踊を始めた13世紀頃のとても有名な宗教家だ。それで、トルコ人のご婦人たちが、感極まって涙を流していたのだなと納得する。多くのトルコ人が、この棺の前で、手をかざして祈っていた。
博物館には、絨毯やコーランが展示されていた。裏には庭があり、バラの花が咲いていて、とても美しかった。イスラムというと砂漠や、ごっついターバンを巻いた荒々しい男たちの世界をイメージしてしまうのだが、モスクには花が美しく咲き誇り、とてもさっぱりとかわいらしくしてあるので、持っていたイメージは偏見なのだなと思う。
博物館から出ると、となりのモスクの前にはたくさんの男たちが、そのうしろには女たちが跪き、熱心に説教を聞いていた。祈りの日である金曜日なので、特に大勢の人が集まっているのだろう。海岸地方から移動してきたので、ここ内陸部の宗教都市コンヤはイスラム教の信仰が特別篤いところのように感じる。女性はほとんど全員がスカーフをして、長いコートを身につけている。イスラム圏でもトルコは比較的自由な服装をしている人が多かったのだが、このコンヤは少し違う。
セルジューク・トルコの首都だと言うことで、古い建物がずらりと並ぶ古都をイメージして来たのだが、少々違う感じで裏切られた感じがある。この街の人はおとなしそうで素朴な感じを受ける。
博物館の後は食事をとって、次のカラタイ神学校博物館に行く。青タイルが実に美しかった。
夕方、食事の後、アラアッディンの丘に行ってチャイを飲む。夜景がきれいだった。この町は夜が早いらしい。それでも丘の上では、子どもづれで夕暮れのひと時を楽しんでいる家族等がいた。
本日の支出 約16.0USD
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