ニュースなどで紛争国の銃撃戦の模様が流れる。テレビで見ると”パンパン”と乾いた音がするが、その恐怖感は伝わらない。
インドでのことだった。ブッダガヤという、仏陀が悟りを開いた町に滞在していた時の話。インドはカースト差別の国だ。僕はカースト制をなくす運動をしている白人がやっているゲストハウス(以下GH)に泊まっていた。
選挙前になると、インドではこのカースト制を廃止する活動家がいる下層階級の集落を、カースト制を守ろうとする保守的な上層階級の人間が襲って皆殺しにする事件が時々起こる。
選挙が近くなったある時、GHに帰ってきたら数人の兵士が来ていた。何かあるなと思ったその夜、GHは襲撃された。兵士たちは、襲撃を予測したGHのオーナーから要請があり来ていたようだ。
夜の静けさの中、銃撃が始まった。塀の向こう、わずか10mくらいの距離でライフルの銃声がなり響く。本当に空気が震え、闇をつんざくすさまじい音だ。音を聞いただけで、その威力の凄まじさを感じる。
銃撃の音はすぐに終わった。状況から、兵士が威嚇射撃を行っただけで終わったようだ。
しかし、その恐怖と言ったら表現しようがない。テレビから聞こえてくる音と、迫力が数千倍も違う。
今この瞬間も、紛争国では凄まじい恐怖の中で、多くの民間人が犠牲になっている。

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