南米の日系人(1995年)

ブラジルはサンパウロのリベルダージは、有名な日本人街だ。100年も前にブラジルに渡った日本からの移民がつくった町。この町で僕は本当に驚いた。ここで生活している日系人の方々が本当に礼儀正しく、柔和な表情を浮かべて接してくれるのだ。欧米化された日本よりも昔の日本の良さを伝えているようで、何か戦前の日本にタイムスリップしたような錯覚を覚えるほどだった。

サンパウロ自体は貧富の差が激しく、教会前広場に座っていると、5分に一度は子供が大人の財布や荷物をひったくっていく光景を目にする。なんとも大変なところなのだが、そんな中で日本人の誇りを失わない、日本人よりも日本的な心を見たように思った。

ラテンアメリカの地には多くの日系人がいる。移民として、本当に悲惨な目にあったり、過酷な労働を強いられたりと、大変な苦労を乗り越えて、今の日系人の地位と信用を築いて来られた。

日系人といえばペルーの大統領としてアルベルトフジモリ氏が有名だが、まさに僕がペルーに行ったときはフジモリ大統領の最盛期で、どこに行ってもフヒモリ、フヒモリと言って歓迎された。

フジモリさんは次の政権に犯罪者にされてしまったが、彼の功績は凄いと思う。欧米にルーツに持つ一部の金持ちが富をほしいままにし腐敗しきった中で、センデロルミノーソやトゥパックアマルなどのテロが横行していたインフレ率7000%という破綻した国を見事に立て直したのだ。

ペルーで会った人々は中産階級が多いと思うが、家族をテロリストに殺害された人に何人出会ったことだろう。多くの人がテロの恐怖におびえ、貧富の差に苦しんでいた。

フジモリ氏はそんなテロを撲滅し、経済を立て直し、貧しい地区の子供たちに教育を与えたのだ。その分、国を牛耳る一部の金持ちの怒りを買って、次の政権で犯罪者にされてしまった。クーデターなど強権的なやり方が批判されるが、あれほど混乱しきった国を立て直すには、きれい事ではすまされない。

ところで、このフジモリさんも熊本にルーツを持つ日系人だ。ペルーの日系人は、熊本ルーツの人が一番多いらしい。南米は地球の裏側で、日本からもっとも遠いように思われるが、実は日本にルーツを持つ人が260万人もいると言われており、考えようによっては世界でもっとも近い大陸なのだ。私はラテンアメリカを応援したいと思う。

音楽あり、自然あり、歴史あり、文化あり、なかなか日本には伝わってこないけど、ラテンアメリカはとても魅力的なところだ!

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