以前、本屋で偶然立ち読みして面白そうだなと思って買って読んだ、講談社現代新書「日本軍と日本兵」(一ノ瀬俊也著)。
第二次世界大戦を敵国アメリカ側の記録を基に構成してある。アメリカが自軍の将兵に配布していた情報誌で、日本軍についての詳細な情報分析が記録されているものだ。当然、米兵の恐怖心をなくすように情報操作されている部分も含まれるだろうが、なかなか知ることのできない日本軍というものを冷静に分析した記録であり、第二次大戦期の日本や日本軍の実態を生々しく映し出しているように思う。
私にとって第2次大戦については知らないことばかりだが、例えば、ガダルカナル島の戦いでの日本兵の死因について、日本軍総兵力3万1400名中、2万800名が亡くなっているのだが、その内訳は5000名~6000名が純戦死。これに対して、1万5000名前後が「戦病に斃れたもの」なのだそうだ。一方で米軍側の戦死者はわずか1000名であったそうだ。(防衛庁防衛研究所戦史室の記録より)
戦闘で死んだ者よりも、マラリア、飢餓による脚気、腸炎など病気で死んだ者の数が3倍近く多いということになる。
当時のアメリカは日本側のこのような状況をかなり正確につかんでいる。そして、戦後になり、軍医療の崩壊が日本軍敗退の一大要因と指摘している。
本の内容は、多岐にわたって様々な分析が報告されており、その中にはアメリカの意図的なものもあるだろうから、あくまでアメリカの視点から見た一情報という位置づけにはなると思うが、戦争や軍、そして日本というものを再認識する機会となり、いろいろと考えさせられるものがあった。


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