1997年8月4日(月) Tripoli ⇒ Sour ⇒ Saida ⇒ Zahale 晴れ
今日はハードに動く。朝7時半過ぎのバスでベイルートへと向かう。ベイルートでバスを乗り換えてサイダへ。サイダでまた乗り換えてスールに到着。レバノンの北から南まで走った計算だ。
スールは昔ティールと呼ばれていたフェニキア人の都市だ。一時期は紫染料などで富を築き、勢いのあった都市だが、アレキサンダー大王に滅ぼされてしまう。現在の遺跡はローマ時代のものだが、立派な列柱がいたるところにそそり立つ姿に、バックの海がとてもきれいだ。海でシュノーケルをつけて何かやっている人がいて、貝でもとっているのかと思ったら何とランプやコイン等、貴重な品々を集めていた。こんなにもたくさん本物のアンティークが取れるなんて。また、スールには海沿いの遺跡だけではなく、巨大な競技場や凱旋門が残っている。この競技場でも映画“ベンハー”の世界が繰り返されたのだろう。なかなか素晴らしい遺跡だった。

サイダへのバスを待つ間、名物のサニィヨラというお菓子を食べる。らくがんやメレンゲに似た味だったが、これはトリポリで食べたお菓子に軍配。道沿いでは、国連部隊の車や軍人の姿があった。お菓子屋の主人にしても、セルビスの運転手等、スールの人たちはとても親切だった。
サイダに着くと、海の城を観る。このサイダは昔、シドンと呼ばれたフェニキアの一大都市だった。現在の海の城は、十字軍が作ったもの。屋上からの眺めがなかなか素晴らしかった。猫の親子(子ども7匹)が居たのだがかわいかった。遺跡に居た日本人観光客の中年男性に、「アレキサンダー大王の石棺(イスタンブールの博物館所蔵)は、どこから発掘されたかわかりますか?」と尋ねられ、あの石棺はシドンから出たのだと思いだした。



豆々という中華料理店で遅いお昼を食べる。おいしかった。ベイルートに到着後、セルビスでザハレに向かう。もう日が暮れた後だが、夜のドライブも悪くない。高地にあるので、途中で風が冷たくなってきた。セルビスを降りるが、泊まろうと思うホテルは4kmもある。ヒッチハイクをすることにする。アラビア語の先生だという女性が拾ってくれて、目的地まで送ってくれた。
この街の住人は全員クリスチャンだそうで、ヨーロッパ的な街に感じた。落ち着いた風情のある街だ。宿はHotel Traboulsiにする。ヨーロッパ調のサロンが素晴らしい。宿のおばあさんは少し目が悪くなっているが、元気で愛想のある人だ。
散歩に出ると、夜のレストラン街もしっとりと落ち着いた感じがする。だが、予算を完全にオーバーしそうな店ばかりなので、今日は外で食べるのをあきらめ、ワインだけ買ってから宿に戻る。運の悪いことにホテルにもワインオープナーがなかった。残念!
本日の支出 約38.7USD
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