夏休みをとって、高知県大月町にある大月エコロジーキャンプ場にやって来た。高知県の西岸、宿毛市から十数kmほど南下したところにある海のキャンプ場だ。プライベートビーチは砂浜ではないが、サンゴ礁が広がり、とても快適にシュノーケリングを楽しむことができる。海水がとても暖かく、色とりどりの魚に感動してしまう。
キャンプ場にはキャビン9棟、テントサイト10か所があり、キャンプ用品メーカーのCaptain Stagが提携しているため、管理棟では充実したキャンプ用品を購入でき、また、充実したレンタル用品を借りることができるようだ。施設内には温水シャワーがあるが、すぐ近くにホテルベルリーフがあり、キャンプ場宿泊者は有料でホテルの大浴場を利用することができる。
黒潮の海は暖かい。黒潮の流れが暖かく透明な海水を沿岸部に押しやるために、透明度の高い海になるのだそうだ。川から流れ込んだ水は重く下に沈むため、海の養分は失われず、たくさんの魚が生きる環境が整っているので、このあたりの海はダイビングと釣りのメッカになっている。キャンプ場から車で20分ほどのところに柏島という場所があるが、400人程度の小さな集落に、ダイビング店がなんと12店もあるそうで、コロナ前は海外からも多くの来客があったのだそうだ。
この集落の避難場所の案内看板がなんとも面白かった。”避難場所 田中さんの畑” このシンプルに地元の方しかわからないこの表示に、なんともほのぼのとしたものを感じて可笑しかった。
この柏島、たくさんの海水浴客でにぎわっており、駐車場には近畿や中国地方など、県外ナンバーの車があふれていた。旅館や民宿もけっこうあるので、冬は大丈夫なのかなと思ったら、釣り客で連日満杯になるのだそうだ。冬は風がものすごく強く、とても寒く感じると地元の人が言っていたが、それにもかかわらず、釣り客を魅了する海なのだなと思った。
さて、シュノーケリングだが、岸から少し離れるとそこにはサンゴ礁が広がり、実に多くの種類の魚を見ることができる。魚の名前は一向に覚えないので種類の豊富さを説明できないのが残念だが、妻は、何万匹ものタナゴ(多分)の群れと数分間一緒に泳いだと言っていた。私は岸に上がっていたので見ることができなかったが、これは本当にレアなケースだと思う。
水草が茂る岩もあるが、そこにも多くの魚がいた。水草がゆらゆらと揺れ、魚がゆらゆらと揺れ、私もゆらゆらと揺れる。波はかなり穏やかだ。ぷかぷかと浮いていたら、目の前を色とりどりの魚たちが通り過ぎていく。いろんな海に行ったが、シュノーケリングでこれほどの魚を見ることができる快適なポイントはそう多くないように思う。
ところで、海にはウツボいたが、あの思い切り肉食魚という感じの恐ろしい姿から食べたいと思ったこともなかったのだが、地元の人の話ではウツボほど美味しい魚はないそうだ。特にたたきは最高なのだそうだ。これは知らなかった。
このあたりの魚を知るには、土佐清水市にある足摺海洋館SATOUMIがお薦めだ。地元の海の生態をわかりやすく楽しむことができる新しい水族館だ(大人1200円 小人600円)。竜串をはじめとする足摺周辺海域から室戸沖の魚まで約350種類15,000点の生き物を展示してあるそうだ。すぐ近くの海底館では、グラスボートを楽しむことができる。また、スノーピークのキャンプ場もある。
海洋館あたりを通ったのが午後3時近くだったこともあり、まわりの飲食店はすべて閉まっていた。おなかが空いたので、海洋館より土佐清水方面に向かってちょっと車を走らせていたら、地元の”みやむら”という小さなスーパーの前に置かれた”地魚漬け丼”の看板が目に入った。店の中で探したが、どこにも置いてなかったので店員さんに聞いたところ、注文を受けてから作りますとのこと。頼んでみると、本当においしい漬け丼が出てきた。味噌汁付きで800円也。
海の絶景を楽しむもよし、海の生態を楽しむもよし、海の幸を楽しむもよし。大月町は、海をまるごと満喫するには最高の場所だった。
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