アジア旅行記 1997年6月14日 トルコ(セルチュク~エフェス~クシャダス~セルチュク)

6月14日(土) 晴  

朝ホテルを出て、少しだけ市場を見てみる。バナナを食べたかったが、4本で300,000TL(約2.1USD 1USD=約114.5円)だと言う。あまりにも高いのでやめるが、多分ボッているのだろう。

オトガルからドルムシェ(乗合バス)に乗り、エフェス(Efes 又はエフェソス)の遺跡へと向かう。古代ギリシャから古代ローマ時代に栄えた都市で、ローマ時代には30万人もの人口を誇るアナトリアで最も栄えた都市だった。

北口から入場してすぐに大劇場が目に入ってくる。その巨大さにしばし呆然とする。2万4千人もの人を一度に収容できるという、トルコにある遺跡では最大のものだ。反対側には、ハーバーストリートがある。海などどこにも見当たらないのに、ハーバーストリートという名前であり、その先には港の跡がある。エフェスは繁栄を極めていたのに衰退してしまった。人口が増え、羊の放牧により草木がなくなり、挙句の果てに、雨による土砂流出が発生したことで、どんどん港が土砂に埋まり後退していったことで、この巨大な貿易都市は滅びてしまったのだそうだ。人間が自らに自然を破壊して、それによって自らの首を絞めてしまった事例というわけだ。

大劇場でぼんやりと座っていたら、日本人の男性と知り合う。40歳くらいか。ヨーロッパを中心に一人旅をしているそうだ。会社を首になったと言っていた。話下手だが、良い人だった。

途中、トルコの学生が大勢やってきて、一緒に写真を撮ってくれと言う。次から次に、10人ほどずつ入れ替わりながら、一緒に写真撮影をした。

大劇場では、舞台の上で子供が大声で歌って遊んでいたのだが、マイクなしでも反響が素晴らしく、とてもよく音が通るものだと思った。4世紀頃には、剣士と野獣の決闘なども行われていたそうだ。

大理石の通りを進むと、すばらしい図書館の入口が目に入る。彫刻が施されており、本当に素晴らしいものだった。1万2千巻もの図書が蔵書されていたようだ。

当時の売春宿跡や、50mにも及ぶモザイクの床。噴水や立派な門等、この道沿いにはいろんな素晴らしい建物跡が並び、当時のギリシャ・ローマ文明の繁栄がよく伝わってきた。

エフェスの遺跡を出て、クシャダス(Kuşadası )に行く。エフェスからドルムシェにて20分。海がある。ここは、ヨーロッパではかなり有名なリゾート地だそうだ。白人だらけだった。

お昼はスパゲッティを食べる。量がものすごかったが、久しぶりの麺類に満足した。そして散歩、バザール、そして半島に突き出た古城でしばしゆっくりする。エフェスを観光するならば、クシャダスの方がはるかにお薦めだと思う。遺跡を観光した後は、ビーチリゾートを楽しめるのだから。

海の水は、ところによっては、かなり透明できれいだった。うだるような暑さに、海に頭から飛び込んだらどんなに気持ち良いだろうと思う。海岸沿いにはウニがうじゃうじゃとたくさんいた。取って食べたら美味しいだろうなと思うが、地元の人はウニなど食べないのだろう。

ついでに、クシャダスから7kmほど離れたLong beachにも行く。エーゲ海の砂浜。ここも十分美しいが、カリブの海の美しさを知っている目には少しばかり期待外れだった。それなりに素晴らしいのだが、カンクンの砂の白さと海の美しさには残念ながら及ばない。別物として感動すべきなのだが、比較してしまう。

しかし、ドルムシェを乗り継ぎ、セルチュクに戻る途中に見た、エーゲ海に沈む夕日は、ものすごく素晴らしい色をしていたことは記録しておきたい。

本日の支出 約27.4USD/人

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