1997年7月11日(金) トラブゾン(Trabzon) ~ カルス(Kars) 曇/晴
朝からカミルコーチ(バス会社)へ行き、Karsへのチケットを買い、オトガル(バスステーション)に行く。朝8:30出発。バスは黒海沿岸を通り進む。ここは、今日もどんよりと曇っていて、時おり雨が降ってくる。太陽が出ていないので風がとても涼しい。
Hopaまで黒海を左手に見ながら走る。途中Rizeの茶畑が目に入る。雨の降る黒海は、なかなか趣深いものだ。波は荒くないが、日本海のもの悲しい風情に似ている。
Hopaを越えると道を右折し、内陸に向かう。山を越える。山を越えたあたりから、ずいぶんと雲も薄くなり、それまでは木が生い茂っていて、緑豊かな土地だったが、少しずつ木がまばらになり、背の低い木々や、草花が一面を支配し始める。
さらに進むと、凄まじい断崖の下を通り、小さなバスはひた走る。このあたりは、もう少し東に行くと、グルジアとの国境となる。どのくらい走ったのだろうか。途中、カッパドキアばりの奇岩もあった。
しばしうとうとする。目を覚ますと、景色は一面の草原に変わっていた。テレビか何かで見た、モンゴルの大草原のようだ。どこまでも、どこまでも続く草原。黄色や紫の野の花が咲き乱れる。羊や牛の群れが草を食んでいる。空気が素晴らしく新鮮だ。なんと素晴らしい場所なのだろう。バスが停まったときに、外に出てみると、日本の晩秋を思わせる冷たい空気がまわりを支配している。その空気は澄み切っていた。空気があまりにも透明で、太陽光線が創り出す光と影が草原に命を吹き込む。
バスの中で、スロベニア人のカップルと知り合う。薬学部とコンピュータエンジニアを目指す大学生だ。おとなしく、落ち着いた若者だ。明日行く予定のANIの遺跡ツアーに一緒に行くことにする。
KARSに到着して、まずインフォメーションに行く。明日の車のチャーター(1台4,000,000TL)とガイドの予約、遺跡への許可申請書をもらう。その申請書を持って警察に行き許可証をいただく。すでにガイドが同行し、警察の手続きもアシストしてくれる。
警察にはKARS訪問者の、国別の一覧表があったのだが、6月にはここになんと160人強の日本人が来ていて、400人のトルコ人に次いで、ダントツの2位となっていて驚いた。
ガイドにホテル“キャラバンサライ”に連れて行ってもらう。今夜はそこに宿泊。スロベニア人のカップルと食事に行く。スロバニアのワインはとても美味しいのだそうだ。いつか飲んでみたいものだ。
宿に帰り洗濯をする。窓を開けると風が冷たい。閉めたら部屋に下水のようなにおいが立ち込めておりうんざりする。
本日の支出 約18.8USD
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